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修理できるか?古いカーラジオ(その13:ふりだしへ・・・?) [電子回路]

前回からの続き)

 雑音の問題は未解決ながらもほぼ正常に動くようになったので、機械部分の清掃をする。選局ボタンの金属部に黒くてネチャネチャしたものが付着しているが、これは劣化したスポンジだ。
金属部に付着している劣化した黒いスポンジ
このままにしておくと機械部に入り込んで動きを妨げるので、アセトンを使って取り除いた。
劣化したスポンジを取り除いた後
こうしておけば、余計な不具合を起こさせずに済む。

 念の為に、エージングを行う。本来エージングが必要なのは特定の回路だけで、オーディオやラジオには必要無いが、古い回路は動かし続けてある程度時間が経ってから不具合が出る場合もある。こういう部分で手を抜いてはいけない。半日に1時間半程度を目安に3日ほど動かし続ける。

 2日間は問題なく動いていたが、3日目にAMからFMに切り替えた途端、音が出なくなった。「ありゃ?何で??」と思いながらAMに戻しても、やはり音が出ないままだ。「ウーム、やはり一筋縄では行かなかったか。」早速調べてみると、アンテナから来た配線をAMとFMに振り分けるスイッチの動作がおかしい。テスターで測ると、スイッチを動かした直後は抵抗が0Ωになるけれど直ぐ無限大になってしまう。接点が錆などで劣化していると起き易い現象だ。早速スイッチの分解に取り掛かる。画像の真ん中よりやや左上、緑・青・黄・赤の配線が繋がっている黒い樹脂の部品がそのスイッチである。
ラジオの集合スイッチ部分と基板
ちなみに、FM側のμ同調回路との接続のハンダ付けが異様な程にハンダが盛り上げてあるのが以前から気になっていた。
 FM側だけハンダ付けを外し、執拗なまでに配線されているアース線も全て外して隙間を作り、スイッチを取り外す。
取り外した集合スイッチ
6個のスイッチを一つにまとめた集合スイッチになっている。黒い樹脂の蓋を外すと内部の接点が見えてくる。
集合スイッチの内部
金属片を左右に動かして接続させる単純な構造だ。金属片を外すと、接点の表面が結構劣化していた。ちなみに、一番右がアンテナからFM側回路に繋がる接点である。
意外なほど劣化していた集合スイッチの接点
NeverDullでピカピカに磨き上げる。
磨き上げた接点(表側)
裏側も同様に劣化していたので、同じように磨き上げる。
磨き上げた接点(裏側)
金属片は内側が接点になっているので、サンドペーパーを挟んで両側を磨く。
金属片の接点は紙やすりで磨く
全部磨いたら、元通りに組み立てる。
磨いたスイッチの接点を組み立てる
この上に樹脂をかぶせて取り付け、外したハンダ付けを全て元通りに付け直せばOKである。
元通りにハンダ図消し直したFM受信部
なお、不自然に交差させてあったFM高周波増幅部の配線は素直な配線に戻しておいた。また、周辺の異様な量でハンダ付けされた部分も、ハンダを一旦吸い取ってから付けし直した。

 電源を接続して動かしてみると...あれ?音が出ないゾ???
 色々と調べてみると、電解コンデンサを全交換した直後とほぼ同じ動作になっていた。音声の出力が極端に小さいので、スピーカだと雑音に埋もれてしまい殆ど聞こえない。AMラジオ側を調べると、局発(局部発振)回路は正常だが、高周波増幅回路は入力された電波を殆ど増幅していないように見える。何故じゃぁ???

 前回までで「やっとこさ完成の一歩手前まで来たかなぁ」なんて思っていたが、ラジオの動作はふりだしに戻ってしまった。参ったなぁ...(^^;)...(--;)...(/_;)...

続く
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