TAPCOオーディオインターフェースの簡単な修理 [音楽]
子供がタワー型PCに接続して使っているTAPCOのオーディオインターフェース「link.usb」の調子が悪いという。
普段はPCでリッピングした曲のデータをオーディオインターフェースでアナログ変換してスタジオモニターで鳴らしているけれど、時々ヘッドフォンで使うとボリウムのガリが酷いんだそうな。10年ほど前の製品だから、まぁ仕方あるまいな。
# この手の機材にはありがちな話ですねぇ。
まずは全体を見回す。フロントパネルにツマミが集中していて、ジャック類はリアパネルにまとめられている。
底面は本体を支えるバーがあるだけだ。
筐体を固定するようなネジが見当たらないので、どこかに潜んでいる筈。試しに、側面のラバーを剥がしてみる。
案の定ネジが隠れていた。
ネジを外すと筐体が二つに分かれる。
基板上の目立つICを調べてみた。「TAS1020B」はTIのUSB Streaming Controllerである。
USB関係をまとめて一括制御するチップだね。3.3Vの低電圧仕様になっている。
「AK4528VF」は旭化成の24Bit96kHz Audio CODECである。
ADコンバータとDAコンバータがワンチップになったもので、電源は通常の5V仕様だ。
「TLC2272AC」はTIのCMOSオペアンプである。
このチップも5Vから動作する。
「LMC555」はTIのタイマー用ICである。
定番555のCMOS版で、電源は1.5V以上であれば動くようだ。
「LM2663」はTIのSwitched Capacitor Voltage Converterである。
電源電圧をそのまま負電圧に変換するコンバーターで、200mAまで取り出せるようだ。恐らくオペアンプ用の負電源を作っているのだろう。
このダイオードは沢山使われているけれど、型番が判らないのでデータも不明。
恐らくはショットキータイプだと思うけれど、確証は無い。
基板はごく普通の作りだが、何と、LEDはボンドで固定されている!
うーん、流石チャイナ製だ。(絶句)
よく見ると、何となく電解コンデンサが怪しい感じ。
画像では分かり難いと思うけれど、右側が一寸膨らんでいる。
1000μFのコンデンサは全て同じような状態になっている。汎用品だからそろそろ寿命を迎えてもおかしくはないけれど、今すぐ交換が必要なほどではないので様子見とする。
基板とフロントパネルはツマミとジャックのナットで固定されている。
ツマミとナットを取り外せば、フロントパネルが外れる。
スルーホールなのでかなり梃子摺ったが、10分以上格闘して何とかボリウムを外せた。
この形状は見たことが無いので、恐らく専用品だろう。
ボリウムを包んでいる金属のツメを慎重に起こして分解する。
接点を拡大して見ると、接触する部分が少し錆びているように見える。
NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いて奇麗にした。
抵抗体も表面がかなり荒れているようだ。
同じくNeverDullで磨いて綺麗にする。
ボリウムを元通りに組み立てたら、基板にハンダ付けする。
あとは元通り組み立てて完成である。
子供に使って貰ったら「正常に動いた」というので一安心だ。
この手の機材は開放型のボリウムを使っていて、使用頻度にも依るけれど、いつかは必ずガリが出るようになる。動く部分が多いので、こればかりは仕方がない。
近年はコストダウンの為か専用品が使われていることが多く、今回のように配線も特殊だと汎用品に置き換えるのは難しい。汎用の小型ボリウムなどで置き換える事も出来なくはないだろうが、かなり苦労しそうだ。
幸い、今回は直せたので助かった。これで当分は動いてくれるだろう。
普段はPCでリッピングした曲のデータをオーディオインターフェースでアナログ変換してスタジオモニターで鳴らしているけれど、時々ヘッドフォンで使うとボリウムのガリが酷いんだそうな。10年ほど前の製品だから、まぁ仕方あるまいな。
# この手の機材にはありがちな話ですねぇ。
まずは全体を見回す。フロントパネルにツマミが集中していて、ジャック類はリアパネルにまとめられている。
底面は本体を支えるバーがあるだけだ。
筐体を固定するようなネジが見当たらないので、どこかに潜んでいる筈。試しに、側面のラバーを剥がしてみる。
案の定ネジが隠れていた。
ネジを外すと筐体が二つに分かれる。
基板上の目立つICを調べてみた。「TAS1020B」はTIのUSB Streaming Controllerである。
USB関係をまとめて一括制御するチップだね。3.3Vの低電圧仕様になっている。
「AK4528VF」は旭化成の24Bit96kHz Audio CODECである。
ADコンバータとDAコンバータがワンチップになったもので、電源は通常の5V仕様だ。
「TLC2272AC」はTIのCMOSオペアンプである。
このチップも5Vから動作する。
「LMC555」はTIのタイマー用ICである。
定番555のCMOS版で、電源は1.5V以上であれば動くようだ。
「LM2663」はTIのSwitched Capacitor Voltage Converterである。
電源電圧をそのまま負電圧に変換するコンバーターで、200mAまで取り出せるようだ。恐らくオペアンプ用の負電源を作っているのだろう。
このダイオードは沢山使われているけれど、型番が判らないのでデータも不明。
恐らくはショットキータイプだと思うけれど、確証は無い。
基板はごく普通の作りだが、何と、LEDはボンドで固定されている!
うーん、流石チャイナ製だ。(絶句)
よく見ると、何となく電解コンデンサが怪しい感じ。
画像では分かり難いと思うけれど、右側が一寸膨らんでいる。
1000μFのコンデンサは全て同じような状態になっている。汎用品だからそろそろ寿命を迎えてもおかしくはないけれど、今すぐ交換が必要なほどではないので様子見とする。
基板とフロントパネルはツマミとジャックのナットで固定されている。
ツマミとナットを取り外せば、フロントパネルが外れる。
スルーホールなのでかなり梃子摺ったが、10分以上格闘して何とかボリウムを外せた。
この形状は見たことが無いので、恐らく専用品だろう。
ボリウムを包んでいる金属のツメを慎重に起こして分解する。
接点を拡大して見ると、接触する部分が少し錆びているように見える。
NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いて奇麗にした。
抵抗体も表面がかなり荒れているようだ。
同じくNeverDullで磨いて綺麗にする。
ボリウムを元通りに組み立てたら、基板にハンダ付けする。
あとは元通り組み立てて完成である。
子供に使って貰ったら「正常に動いた」というので一安心だ。
この手の機材は開放型のボリウムを使っていて、使用頻度にも依るけれど、いつかは必ずガリが出るようになる。動く部分が多いので、こればかりは仕方がない。
近年はコストダウンの為か専用品が使われていることが多く、今回のように配線も特殊だと汎用品に置き換えるのは難しい。汎用の小型ボリウムなどで置き換える事も出来なくはないだろうが、かなり苦労しそうだ。
幸い、今回は直せたので助かった。これで当分は動いてくれるだろう。
使い捨てということなんですか
金属磨きでみちがえる程奇麗になったから
素晴らしい(^◇^)
by みうさぎ (2017-09-18 12:39)
みうさぎさん
専用品が多く使われている製品は、寿命が来たらゴミ!です。
修理が効かないんですよねぇ。
今回は上手く行きましたけど、修理できる方が珍しかったりします。
by Rifle (2017-09-18 12:56)