音の出ないスティングレイ5弦を直す(その1) [音楽]
先日、大きな荷物が自宅に届いた。
ミュージックマンの5弦ベース・スティングレイ5である。「音が出ず、状態も良くない」という理由で、市販の半額以下という格安(!)のお値段だった。
# 何しろ、廉価版モデルよりも安かった!
以前から是非欲しいと思っていたし、画像を見る限りでは自分で何とかできそうだったので「ダメ元で」と入手した。
まず、全体の状態を確認する。
ネックはかなり使い込まれていて薄汚れているけれど、捻じれや変な反りは無い。
フレットの残りは5割ほどでかなり減っているけれど、定期的にメンテナンスされていたらしくて弦の痕や傷などは見当たらない。
ネック裏側は全体的に黒ずんでいるので塗装されていないように見えるが、Musicmanのサイトに依れば「Hand rubbed gunstock oil wax仕上げ」となっている。状態はそこそこ良さそう。
ヘッド裏には米国産の表記がある。
ペグはメッキが痛んでくすんでいる。
保管場所は湿気の多い場所だったようだ。ペグは動きが渋いので、全てばらして清掃する。
ピックアップはポールピースが錆びてメッキが剥がれている所がある。しかも、メッキの内側で錆が進行しているような感じだ。
見た目は悪いが、この程度なら音には全く影響しない。
しかし、このまま放置すると錆がどんどん進行してしまい、下手するとピックアップのコイルまで錆びさせてしまいかねないので、メッキを剥がして見える範囲全ての錆を削り落とした。
序にピックアップ・コイルの直流抵抗値を測定したが、一般的なベース用パッシブピックアップとはだいぶ違う値で「へぇ?こんな値なんだ」と一寸ビックリ。まぁ、音が出りゃ何でも良いんだけど。(笑)
塗装はあちこちで剥がれかけている。
「High gloss polyester」塗装だそうだが、経年劣化で弱くなるようで、部分的に塗装の剥がれた中古をよく見かける。見た感じでは力の掛かる部分(ネックジョイント部・ネジ穴周辺など)に塗装割れが多いように思う。
これだけあちこち剥がれ始めているとなると、剥がれが全体に広がるのは時間の問題かも知れないが、今直ぐ何かしなければならない訳でもない。とりあえず何もせずこのままの状態で様子を見よう。
次はブリッジに取り掛かる。あちこちに錆が出ている。
弦に当たるブリッジの駒も錆びている。
ブリッジを本体から外す。
スタッドボルトと木ネジの両方で固定するという、一寸変わった固定方法だ。
駒の錆は貰い錆らしくて、表面を磨くだけで奇麗に取れる。
ネジやバネは真鍮ブラシで徹底的に錆を落としてから、元通りに組み立てた。
次はフレットだ。
状態は悪くないが、くすんでいるので、液体コンパウンドで磨く。磨く際には養生テープでフレット以外の部分を保護しておく。
磨いたら、多少奇麗になった。
ピックガードを外してプリアンプ部が見えた瞬間、「ウゲッ!!!」
嗅いだ事のある臭いが一気に広がる。「参ったな、こりゃ...(>_<;)。」
(続く)
ミュージックマンの5弦ベース・スティングレイ5である。「音が出ず、状態も良くない」という理由で、市販の半額以下という格安(!)のお値段だった。
# 何しろ、廉価版モデルよりも安かった!
以前から是非欲しいと思っていたし、画像を見る限りでは自分で何とかできそうだったので「ダメ元で」と入手した。
まず、全体の状態を確認する。
ネックはかなり使い込まれていて薄汚れているけれど、捻じれや変な反りは無い。
フレットの残りは5割ほどでかなり減っているけれど、定期的にメンテナンスされていたらしくて弦の痕や傷などは見当たらない。
ネック裏側は全体的に黒ずんでいるので塗装されていないように見えるが、Musicmanのサイトに依れば「Hand rubbed gunstock oil wax仕上げ」となっている。状態はそこそこ良さそう。
ヘッド裏には米国産の表記がある。
ペグはメッキが痛んでくすんでいる。
保管場所は湿気の多い場所だったようだ。ペグは動きが渋いので、全てばらして清掃する。
ピックアップはポールピースが錆びてメッキが剥がれている所がある。しかも、メッキの内側で錆が進行しているような感じだ。
見た目は悪いが、この程度なら音には全く影響しない。
しかし、このまま放置すると錆がどんどん進行してしまい、下手するとピックアップのコイルまで錆びさせてしまいかねないので、メッキを剥がして見える範囲全ての錆を削り落とした。
序にピックアップ・コイルの直流抵抗値を測定したが、一般的なベース用パッシブピックアップとはだいぶ違う値で「へぇ?こんな値なんだ」と一寸ビックリ。まぁ、音が出りゃ何でも良いんだけど。(笑)
塗装はあちこちで剥がれかけている。
「High gloss polyester」塗装だそうだが、経年劣化で弱くなるようで、部分的に塗装の剥がれた中古をよく見かける。見た感じでは力の掛かる部分(ネックジョイント部・ネジ穴周辺など)に塗装割れが多いように思う。
これだけあちこち剥がれ始めているとなると、剥がれが全体に広がるのは時間の問題かも知れないが、今直ぐ何かしなければならない訳でもない。とりあえず何もせずこのままの状態で様子を見よう。
次はブリッジに取り掛かる。あちこちに錆が出ている。
弦に当たるブリッジの駒も錆びている。
ブリッジを本体から外す。
スタッドボルトと木ネジの両方で固定するという、一寸変わった固定方法だ。
駒の錆は貰い錆らしくて、表面を磨くだけで奇麗に取れる。
ネジやバネは真鍮ブラシで徹底的に錆を落としてから、元通りに組み立てた。
次はフレットだ。
状態は悪くないが、くすんでいるので、液体コンパウンドで磨く。磨く際には養生テープでフレット以外の部分を保護しておく。
磨いたら、多少奇麗になった。
ピックガードを外してプリアンプ部が見えた瞬間、「ウゲッ!!!」
嗅いだ事のある臭いが一気に広がる。「参ったな、こりゃ...(>_<;)。」
(続く)