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TC1140とMAXCOMの簡単なオーバーホール [音楽]

 相変わらず中古で安く入手した機材を少しずつ買い集め、ある程度まとまった段階で部品を取り寄せて修理している。
 バンドを組んでいたガキの頃に「プロの機材って高いんだなー」って楽器店のショーケースの前で指咥えて見ている事しかできなかった機材が、20年以上経った今頃になってようやく値が落ちるようになってきた。機種によっては現役時代より更に金額が上がったりするけれど、如何にも「酷使されました!」という外観の物は何とか手が出せる金額になってきている。
 今回はt.c.electronicのTC1140とBBEのMAXCOMを軽くオーバーホールする。

 まずはt.c.electronicの有名なTC1140だ。
T.C.electronicのTC1140
「音が籠り気味」という理由で格安で売りに出されていたのを手に入れた。
 この機種は、一言で言えば「楽器用プリアンプ+パラメトリック・イコライザー」。当時は特にベーシストに人気で、どのレコーディング・スタジオでもベーシストを呼ぶと、このTC1140とdbxの160辺りのコンプレッサーをセットで持って現れるのが当たり前だったと聞いた事がある。
 その後、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)がギター用プリアンプとして使ったのがきっかけでギタリストにも一気に普及した為、高価な機材であったのにもかかわらず日本でもかなりの数が市販されたらしい。

 作業開始、まず上下の蓋を取り外す。
上下の蓋を外したところ
t.c.electronicの製品は修理する前提で設計されていて、基板を外さなくてもそのまま作業できるようになっている。
 古い機種だけに、電解コンデンサを外したら大半が液漏れを起こしていた。
大半が液漏れを起こしていた
オーディオ用の新しいコンデンサ(画像右側)はかなり大きいが、筐体には余裕があるので十分収まる。
オーディオ用コンデンサは一回り大きい
交換するコンデンサの数が少ないので、作業は直ぐに終わった。
交換し終えた基板
ボリウムはどれもガリは出ていないので、今回は特に何もせず、そのまま蓋を閉じて作業完了である。
 ギター(テレキャス)を使って一寸音出しして見たところ、「そうそう、これこれ!」というクリーンなサウンドが出てきた。これで良し。

 次は、BBEのMAXCOMだ。
BBEのMAXCOM
こちらは動作に問題は無いものの、運搬中の傷でレベルインジケーター周辺の文字が消えかかっている「訳アリ品」だったので、かなり安く入手できた。
 このMAXCOMは2chコンプレッサーにマキシマイザー(=エキサイター、エンハンサー)を付けた物で、勿論コンプレッサーがメイン。だが、あえてコンプは使わずマキシマイザーだけ使っている人も結構居るらしい。
 コンプレッサーは使いこなしが非常に難しいけれど、
# コンプを自在に操る技量があれば、冗談抜きでレコーディング・エンジニアが務まりまっせ。
レコーディング時には欠かせない機材の一つでもある。但し、ギターやベースの場合、コンプに頼らずとも手だけで音量を調節できなきゃイケナイんだけどナ。(^^;)

 上蓋を開けると、基板が整然と並んでいる。
蓋を開けたところ
ボリウムは内部の金属板に取り付けられている。
ボリウムは内側の金属板に固定されている
基板は下の蓋にネジ止めされているので、一つずつ外して電解コンデンサを交換して行く。10年程前の機材だが、コンデンサの液漏れは一つも無かった。
 製造過程でシールを剥がし忘れたのか、同じ物が2枚、しかも中途半端な状態で貼られている。(笑)
同じシールが中途半端な状態で2枚???
 オーディオ用コンデンサはかなり大きい為、そのままでは蓋に閊えてしまうので、一部は倒して半田付けした。
横に倒して半田付けしたところ
ボリウムにガリなどの問題は出ていない為、基板上のコンデンサを全て交換すれば作業は終了である。
作業を終えた基板
こちらも一寸音出しして動作を確認する。
 以前より高音域がスキっと抜けるようになったけれど、それ以外は変わらない。コンプレッサーという回路の性質上、コンデンサを交換しても動作が変わる事は無いから、まぁ当然だな。

 今回の2機種は、まだ鉛フリーハンダになる前だったので、交換作業は楽ちんだった。
 まだ他にもオーバーホール待ちの機材があるけれど、急いで作業するほどでも無いので、そのうちに気が向いたら作業しよう。
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