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TLM220R不動(その4:部品選定) [バイク]

前回からの続き)

 現在入手できる部品のデータシートをネット上で探し回り、使う部品を絞り込んで発注した。
届いた箱
結構な部品点数になった。
取り寄せた部品
右端の箱は、1/2WのE24系列抵抗のセット。抵抗部品の在庫が無くなって来たので、思い切って全種類のセットを購入した。お陰で抵抗の特定の値が欠品という事は無くなるが、かなりの出費となってしまった。(涙)

 廃番のデジタルトランジスタ(バイアス抵抗が内蔵されているトランジスタ)東芝のRN2202・RN1202は、調べてみたら汎用トランジスタ2SA1015・2SC1815とほぼ同じと判明。
デジタルトランジスタ
トランジスタにバイアス抵抗を直接配線しても良いのだけれど、基板パターンを変えないのならトランジスタに抵抗を直接抱かせる事になって少々面倒なので、安価なDTA114EとDTC114EL(共にUNISONIC製)を選んだ。
 因みに、RN2202もRN1202もまだ在庫のある店があるようだ。

 使われているサイリスタはNECの2V5P4・3P4MHだけど、完全互換になりそうな現行品が見つからないので、8P4SMA・TF841M・X0202MAの3種類を取り寄せた。
サイリスタ
2V5P4も3P4MHもゲートトリガ電流がμA単位とかなり小さいのだが、安価な現行品だとmA単位が主流だったりする。気になる電気的特性の項目を拾って比べてみると、良く分かると思う。
項目単位2V5P43P4MHX2020MATF841M8P4SMA
繰り返しピーク逆電圧(VRRMV400400600400400
平均オン電流(IT(AV)A2.530.888
ゲート・トリガ電流(IGTmA0.10.20.21510
保持電流(IHmA55546
項目の比較から、X2020MA辺りが一番良さそうな感じ。

 ダイオードは刻印が無くて種類が分からないので、ガラス封入の小さな方は汎用小信号高速スイッチング用の1N4148を、樹脂モールドの方は汎用整流用の1N4007-Bを使う。
ダイオード
回路からして、ダイオードはどれも整流用に使われているみたいだから、この選択で大丈夫だと思う。

 電解コンデンサが4個使われているけれど、経年劣化が大きいので積層セラミックコンデンサで置き換える。
コンデンサ
積層セラミックは使用電圧が問題になるけれど、今回の回路はどの位置でもそれなりの電圧が掛かっているので大丈夫。

 なお、起こした回路図は以下の通り。一応見直してはあるんだけれど、まだ完璧とは言えない状態なので、値とかは省略している。
回路図
この回路の電源は、ACジェネレータからの電力を半波整流する事で得ている。
 CDIは、パルスジェネレータから来る信号でサイリスタを導通させる事によって、スパークコイルに貯め込んだ電気エネルギーを一気に放出、するとコイル2次側に高圧の電気が発生してスパークプラグに流れガソリンに引火させる、と言う動作を制御する。単純に考えるのなら、パルスジェネレータの信号を整形してサイリスタに流すだけで良さそうに思う。
 しかし、タイミング回路が妙に込み入っているように感じるし、サイリスタが直列になっているのも引っかかる。サイリスタのゲートは別信号源でなくて同一信号だから、2段に重ねる意味が無いように思えるのだ。
 
 ここで、CDIに関するタイミングを計算してみる。
 まず、エンジン一回転に掛かる時間は、6千rpmの時は10ミリ秒、3千rpmの時は20ミリ秒、2千回転なら30ミリ秒。
 トランジスタの動作速度は十分に速いので無視、サイリスタの速度はデータシートによると平均80マイクロ秒。デジタルICのTC4001BPとTC4081BPの動作遅延は最大でも0.2マイクロ秒。エンジン回転と比べれば、それこそ桁違いに速い。だから、回路動作の遅延は全く問題にはならない。
 一方、サービスマニュアルを見ると「遅角開始回転数は2000rpm」とある。
サービスマニュアルにある表
内燃機関は良く分からんけど(滝汗)、サービスマニュアルの値から考えて、回転数が1千rpm上がる毎に2度遅角させる...らしい。(汗)
 その「2度」を時間で考えてみる。例えば、3千rpmでは一回転20ミリ秒だから、2度=20ミリ÷360≒0.056ミリ秒=56マイクロ秒。かなり短い時間間隔である。

 ロジックICが7段重なっているけれど、この部分の遅延は最大でも1.4マイクロ秒。だから、ここで遅角を制御しているとは思えない。そうなると、ダイオードで電圧をカットする事でパルスジェネレータから来る電圧の立ち上がりを遅くして制御している?のかも。
# ダイオード一個で約0.6V電圧が下がるのね。
そう考えると、サイリスタの片方のゲートにダイオードが入っているのが何となく分かるような気がする。

 なお、ネット上の情報に依れば、赤/黄の配線をカットすると点火時期が3度早くなるらしい。
 この線を辿って行くとダイオードが一つ入っている(ツェナーダイオードは電圧制御用なのでカウントには入れない)ので、それを省略すれば電圧の立ち上がりは少し早くなる...ん?という事は、パルスジェネレータの信号にダイオード1つ挟むと3度の遅角制御が出来るって事???
# 何だか分かったよーな分からんよーな。(滝汗)
 実際に市販された物なんだから何かしら意味があるんだろうけれど、不勉強な頭では残念ながら解読できんなー。(滝汗)

 さて、回路図も部品も揃ったから、次は基板を複製して実際に組み立てて動作確認!だね。

続く
タグ:CDI TLM220R
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TLM220R不動(その3:回路図作成) [バイク]

前回からの続き)

 とりあえず、眼で読み取れる範囲は全て書き込むが、1割程度が読み取れなくて分からない。
記入した実体配線図
掘り出す時に付いた傷が部品の印刷部分で読み取り不可能だったり、大きな部品が邪魔して小さな部品を読み取れない、という部分が結構多い。
基板の部品面
更に細かく見ていくと、ハンダ割れが起きている箇所も複数ある。
ハンダ割れ
 また、銅箔パターン面を見ると、ICの下にも配線が入り込んでいる。こうなると、ICを抜かないと分からない。
ICを抜いたところ
硬質ゴムを取り払ったら、ジャンパー線の部品番号が出て来た。
下に部品番号が
「こりゃ、部品外さないと分からん所が多いわ。」仕方ないので、部品全部を外す羽目に。
 部品は一つずつ外したら直ぐ部品番号を書いた紙と一緒にチャック付きの袋に入れる。印刷された部分が読み取れない部品は、テスターで測定して実測値を記録する。ツェナーダイオードも、使い古しの9V乾電池を使って降伏電圧を調べて記録する。
 部品点数は多くないが、それでも結構な量となった。
外した部品は袋に詰めた
基板は結構傷らだけだ。(滝汗)
プリント基板・部品面

プリント基板・銅箔パターン面
これで分からない部分は全て解決、配線を追って回路図にする。
手書きの回路図
これを元に無料の基板CADソフトを使って回路図を起こした。
作成した回路図
とりあえず回路図は出来上がった。廃番になっている半導体があるので、同じ物を新品部品で集めて作るのは無理。代替部品を探す事になるのだけれど、半導体ハンドブックは持ってないので、データシートを片っ端から調べて使えそうな部品を探す事になりそう。こりゃー、時間が掛かりそうだな...

続く
タグ:TLM220R CDI 基板
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TLM220R不動(その2:CDIを分解) [バイク]

前回からの続き)

 取り出したCDIは、防水の為だと思うが硬質ゴムのような物でポッティング(充填封入)されている。その大きさから、中に入っているのは基板一枚だろう。とにかく硬質ゴムを取り除かないと話にならないので、作業に取り掛かる。
硬質ゴムを掘る
まずはカッターナイフで切れ込みを入れて少しずつ切り出す。ある程度削ったら、反対側から押し出せるように筐体に穴を開ける。
筐体に穴を開ける
ところが、硬質ゴムは接着力が強く、穴を数個開けた程度では硬過ぎて押し出せない。結局筐体の一面を削り取る羽目に。
筐体の一面を削り取って取り出した
銅箔パターン面は凹凸が少ないので削り出し易い。
パターン面は作業し易い
30分程度で除去できた。
除去の終わったパターン面
問題は部品面だ。
部品面は厄介な作業
部品が何処に埋まっているのか分からないし、部品の大きさも分からない。手探りで慎重に掘り出すんだけれど、フィルムコンデンサや電解コンデンサの表面は柔らかい樹脂製なので、下手すると切り刻んでしまいかねない。カッターナイフだとほぼ間違いなく部品を切断してしまうので、精密マイナスドライバーを使って少しずつ掘り進める。
部品を痛めないように掘り出す
結構神経を使うし、少しずつしか掘れないので、やたらと時間が掛かる。結局、部品面を掘り出すのに丸二日掛かってしまった。充填剤がシリコン系なら引っ張るだけで大抵剥がせるんだけどねぇ。

 基板上に並んでいる部品を確認する。
 まず、目に付くのはロジックICだ。
東芝製ロジックICが2個
TC4001BPはNORゲート、TC4081BPはANDゲートである。
 使われているトランジスタは2SC1815のYランク(hFE=120~40)。
2SC1815Y
他にも2SA1015AのYランクも使われている。
 サイリスタは3P4MHと2V5P4の二つが使われている。
NEC製サイリスタ3P4MH

NEC製サイリスタ2V5P4M
 RN2202は東芝製のデジタル・トランジスタ(バイアス抵抗入りトランジスタ)である。
RN2202
デジタル・トランジスタは、名前は聞いた事があるけれど見るのは初めてだ。

 回路図を起こす為に、実体配線図を作成する。まずは基板の銅箔パターン面をデジカメで撮影する。
基板のパターン面
カラーのままだとデータ量が多いので、モノクロに変換する。
白黒に変換してデータ量を削減する
フリーソフトのGIMPを使って、輪郭を抽出する。
GIMPで輪郭を抽出したところ
このままでは見難いので、描画ソフトを使って形を整える。
描画ソフトで形を整えたところ
これを印刷して部品を書き込めば良いんだけれど、結構面倒な作業なのよねぇ...

続く
タグ:CDI TLM220R
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TLR200のガソリンコック交換 [バイク]

 一時的に時間の掛かる作業が集中した為、久し振りにブログ記事を書くのが間に合わず、一寸間が空いてしまった。A(^^;)gomen
 
 16日の朝、いつものように堤防の練習場所へ行こうとTLR200のエンジンを掛け...ありゃ?おかしいな...ゲッ、エンジン掛からんぜ??(@@;)
 朝から気温が高く、キックスタートを何度も繰り返して汗だくになったがエンジンは始動しない。「どうしてなん...あっ!」トリップメーターは既に150kmを超えているはないか。リザーブ分のガソリンは残っている筈だけど、ガソリンタンクのメイン部分が空っぽになってるんだと思う。先週は子供が乗った為、ガソリン残量に気が付かなかったのである。

 実は、半年以上前からタンク下にあるフューエルコックの調子が悪くて、リザーブに切り替えるとガソリンがタンクから流れ出ずにエンジンが止まってしまうという症状が出ていた。
 だから、リザーブ領域に入らないよう注意して給油していたのだけれど、子供には「リザーブにするとガソリンが流れない」としか伝えてなかった為、子供も気が付かなかったんだと思う。
 今の状態だとフューエルコックをリザーブに切り替えてもガソリンがキャブレター側へ流れないので、エンジンを掛けられない。かと言って、この暑い中をスタンドまで押して歩く気になれないので、仕方なく作業を始める事に。

 フューエルコックの調子が悪い事は分かっていたので、少し前に社外品だけど部品を調達済み。
社外新品のフューエルコック
まずはシートを外し、次にタンクを外す。
外したタンク
タンクのガソリン残量は少ないので、横倒しにして作業する。フューエルコックを外すのは19mmのスパナ一本だけで簡単に外せる。
フューエルコックを外したところ
ガソリン面を切り替えている樹脂製でパイプ状のストレーナーが抜けないので、ガスケットリムーバーで突いてラジオペンチで端を掴む。
ストレーナーを抜いているところ
10分近く格闘して何とか取り出せた。
ストレーナーを取り出したところ
左が社外互換品の新品、右2つが古いフューエルコックだ。
左が新品、右が今まで使っていた純正品
ストレーナーの部分を見ると、社外品は網の目が粗い。
社外品の網目は粗い
取り付けは簡単で、挿し込んで元通りボルトを締め込むだけだ。
取り付けたところ
純正品はコックを固定する部分がカシメてあるのに対し、社外品はネジ止めになっている。
社外品はネジ止め
内部にはゴム状のパッキンが入っているから、経年劣化は避けられない。純正品はコック全体を交換する前提の設計だが、社外品は分解できる構造で、今のご時世に沿った設計になっている。

 交換したらタンクを載せてシートを取り付けるんだけど、「どうせなら」と再びエアホークを取り付けた。
エアホークを取り付けた
今後長距離走る予定がある訳ではないけれど、「邪魔になるほどの物じゃないし、折角あるんだから取り付けておくか」と。
 これで作業は完了である。

 念の為、リザーブに切り替えてからキックアームを踏み込んでエンジンを掛け...ありゃ?掛からん...(十数回キック)...ふーぅ、掛かったーぁ。しばらくアイドリングさせてもエンジンが止まる気配は無い。
 これでリザーブ前に給油しなくても良くなった。目出度しメデタシ、である。
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TLM220R不動(その1) [バイク]

 一寸前の話になるのだけれど、7月31日、拙者は白いTLR200・子供はTLM220Rに乗り、いつもの日曜と同じように木曽川の練習場所へ行った。
 大抵誰かが居るのに、珍しく今日は誰も居ない。「晴れたのに誰も来ないなんて珍しいな。」子供がTLR220Rで一頻り練習後、来た道を戻って帰る事に。
# 拙者のTLR200はロードタイヤなので練習は無理。

 ところが、練習場所から5分ほど走った所で子供が突然道の脇に寄る。拙者も直ぐ後ろに停めて駆け寄って「どうした?」子供曰く「走ってたら急に力が無くなって、そのままエンジンが止まっちゃった」と。道の端では危ないので少し押して歩き、近くにあるコンビニの駐車場にバイクを停めた。
 念の為にタンク内のガソリンの量を見ても問題無いし、ガソリンコックも「ON」になっている。「何でだろう?」気温35度越えの暑い中、二人で交代しながら何度もキックでエンジンを掛けようとするが、一向に掛かる気配は無い。
 近くに大きな公園があるので、押し歩いて公園の木陰にTLM220Rを停める。ここで再度交代しながらキックするが、やはりエンジンは掛からない。「こりゃ自走で帰るのは無理っぽいな。」

 仕方ないので、まず拙者がTLR200で自宅に戻り、冷水を詰めた水筒を持って車でTLM220Rの所へ戻った。まだ任意保険は掛けてない為、無料レッカーサービスは使えない。「交代で押して家まで戻ろう。」
 まずは子供が車に乗って先へ行き、拙者がTLM220Rを押し歩く。凡そ500m程度で子供と交代し、エアコンを最大に効かせて水筒の冷水を飲む。灼熱地獄から生還した気分だ。
 その後も500m前後で交代しながら押して歩き、2時間強掛かって7km先の自宅に無事到着。エアコンで冷えた部屋に入ったら「うわーぁ、生き返るわぁぁぁぁ。」一旦涼しい部屋に入っちゃうと、もう部屋から出たくない。(笑)でも、せめて何が原因かは探っておきたい。一寸涼んだら、改めてTLM220Rの方に行く。
 エンジンが動く為には「良い空気・良いガソリン・良い点火」の3つが必要だけど、ガソリンはあるし、エアクリーナーもまだ綺麗な状態。そうなると、残るは「点火」。
 スパークプラグを抜き、ケーブルを接続してプラグを車体の金属部分に当てた状態でキックを踏む。すると、何度キックしても火花が飛ばない。因みにスパークプラグは交換したばかり。「ありゃまー、こりゃスパークコイルか、それともCDI?」いずれにしても、部品交換が必要となりそうだ。屋外は殺人的な暑さ、原因が掴めたらさっさとエアコンのある部屋へ逃げ込む。

 最近になってようやく気温が下がって来たので、作業に取り掛かる事に。
 スパークコイルは車体右側前方にあるので外すのは簡単。CDIはタンクの下にあるので、タンクを外す。スパークコイルはボルト2本を外すだけ。CDIは白いフレームの中に入っている(赤い枠の位置)ので、配線を外して引っ張り出す。
CDIの位置
CDIを外す時、配線が妙にベタベタしているのに気が付いた。「この汚れって油だな...という事は?」2stオイルのキャップ部を見ると、しっかり滲んでいる。
キャップ周辺に2stオイルが滲んでいる
よく見ると、キャップ周辺に黒い液体ガスケットらしきものが塗られている。前所有者が漏れを止めようとして塗ったんだろう。ウーム...そのうちに何とかしなきゃマズそうだな。
 CDIに巻いてある劣化したゴムが邪魔して引っ張り出すのに苦労したけれど、何とかCDI摘出に成功。
取り出したCDI

 まずはスパークコイルをチェック。
スパークコイルの抵抗値測定中
サービスマニュアルには「一次コイル:0.15~0.2Ω」だから、値は倍。だけど、この辺りの抵抗値は誤差が結構大きいので、範囲外とは言え問題無さそう。

 次はCDIだ。
CDIの抵抗値を測定中
テスターを当てると、どの端子間も抵抗値が11MΩ以上ある。サービスマニュアルでは、特定の端子間は抵抗値が20kΩ以下となっている。多少の誤差ならともかく、測定値はサービスマニュアル上の値とはかけ離れている。このCDIが故障して点火しなくなったみたいだ。
CDIが故障しているらしい
このCDIは新電元製。製造されてから30年以上経過している。
新電元製
側面には製造番号らしきものが印刷されている。
製造番号?
昭和の時代のバイクなので、部品はメーカからはもう出ない。となると...こいつを分解しなきゃならん、という事か。厄介だなー。(溜息)

続く
タグ:TLM220R CDI
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駅にあるバイクの駐車場 [バイク]

 尾張一宮駅内某所へ行く用件がたまにあり、自転車か車で出掛けている。
 ただ、今の時期は気温がいつも30度以上で自転車で行くと汗だくになってしまうし、下手すりゃ熱中症になりかねない。だから、午前中の早い時間帯に車で出掛ける事が多い。
 ところが、朝10時を過ぎると駅駐車場の3階部分までがほぼ満車となってしまい、空きスペースを探すのに時間が掛かって結構面倒。それに、駐車時間が20分を超えると有料になってしまうので、何となく焦ってしまったりする。
 既に昼過ぎだし、雨続きでTLR200を動かしていない事もあり、珍しくバイクで出掛けた。

 尾張一宮駅にはバイクの駐車場が二ヶ所、「一宮北第三駐輪場」と「一宮南第三駐輪場」がある。何方もJR・名鉄の線路の高架下を利用していて、2時間以内の駐輪なら無料。一宮北第三駐輪場は以前から知っていたけれど利用した事が無く、今回利用しようと思って行ったら「満車。」[ふらふら]
 「もう一つ南にもあった筈」とTLR200を走らせるが、どこを走ってもそれらしき場所が見当たらない。「おかしいな?この辺にある筈なんだけど...」周辺をグルグル2回走って、ようやく発見。
一宮南第三駐輪場
布の旗が立っているんだけれど、弱い風が吹いていて高架の柱に張り付いた状態になっており、走っているバイク(車も)からは見えないのだ。引っ込んだ位置に建っている満車/空車の電光表示と
満車・空車の電光表示
案内板が出ているけれど、
利用方法の案内板
走行中に見るのはほぼ無理。見る側の事を全く考えていないような配置は、流石地方公務員の発想である。将に「お見事!」[がく~(落胆した顔)]

 場所が分かったのでTLR200を入る。看板に書いてある文字が小さくて読み辛く、案内板も何故か地面にあったりして
地面上に案内表示
置く場所が分からず、結局場内を一周してしまった。
 一周して分かったけれど、入り口周辺以外は「定期利用(要するに月極)」のスペースとなっている。全体の約半分が原付一種(50cc以下)用、もう半分が原付二種(125cc以下)用。
 原付二種を超える排気量向けの一時駐車スペースは入り口にあって、停められる数は5台しかない。
 定期利用向けのスペースが8割ほどを占めているので、一時利用は殆ど考えられていないような感じである。

 壁側に駐輪用の機器が取り付けられている。
駐輪用の機器
鎖の部分はゴムチューブで保護されていて、それをタイヤのスポークの間をくぐらせて機器の穴に先端を差し込むと、ロックと同時に時間計測が始まる。
棒の先端を機器に差し込むとロックされる
10分ほどで用件を済ませたら、入り口近くにある精算機を操作する。ちなみに、二時間以内なら無料だ。
入口近くにある精算機
パネルの説明通りに操作するとロックが解除された。後はバイクを路上に出せばOKである。

 一旦分かってしまえばどうという事は無いんだけれど、看板表示や誘導案内がイマイチで初めて利用すると分かり難い。まぁ、とりあえず無料で利用できたから良かった、かな。(汗)
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TLM220Rとオイルポンプ [バイク]

 普通に走行できる状態となったTLM220Rだけど、マフラーから吐き出される白煙がどうも気になる。「そういえば、スロットルワイヤーって分岐してるんだっけ。分岐した先って何もしてないよなぁ。」気になりだすとどうにも止まらないので、作業する事に。

 スロットルワイヤーはタンク下を通っているので、タンクを外さないと作業できない。
タンクを外したところ
ワイヤーの分岐は、この黒い樹脂部品の中にあるようだ。
ワイヤー分岐は樹脂部品の中
この部品ははめ込んであるだけで、やや強引に引っ張れば外せる。
外したところ
外すと、2本のワイヤーのタイコが見える。
2個のタイコが見えている
片方はキャブレターに繋がり、もう片方がオイルポンプに繋がっている。キャブレター側はスムーズに動く。オイルポンプ側は少し渋い感じがするので、一旦外してオイルを注入したらスルスル動くようになった。
オイルポンプ側のワイヤーを外したところ
古くなったグリスを取り除いて組み立てる。
ワイヤー分岐を組み立てたところ
後は元通りに組み付ければ、作業は完了である。

 試しに動かしてみた。まず、スロットルを全く動かさない状態なら、ポンプのアーム位置はこんな感じ。
スロットル・オフ時の位置
一度スロットルを全開にしてから戻したら...アカンやん!(滝汗)
スロットル・オフで元に戻らない
ワイヤーの動きはスムーズなのだが、肝心要のオイルポンプのアームの戻りが悪いのだ。どうやらオイルポンプ内に何か問題がありそう。想像だが、内部で古い2ストオイルが固まっていて、ポンプアームの動きを邪魔しているんだと思う。なお、サービスマニュアルには「ポンプは分解不可」と明記されている。
 現状のままでもオイル吐出量が多くなるだけで、2ストオイルの消費量が多いのと、少し点火し難くなる程度。実際の走行には多分影響しない筈。でも、不具合を知っていながら直さないというのは何とも心地悪い感じ。

 TLM220Rは1988年から1993年の5年間だけ製造されたバイクで、我が家のは後期型。もう30年近く前のモデルだ。一応ホンダドリーム店で部品の在庫を調べて貰う積りだけど、オイルポンプの新品は恐らく無いだろう。
 無ければ、何らかの方法で中古部品を探す事になる。動作する良品が見つかれば良いけれど、同じような不動品しか無ければ、(分解しちゃイカンとマニュアルには書かれているけれど)ダメ元でばらしてオーバーホールする羽目になる。
# オーバーホール出来るかどうかも分からんけどねー。
 まだまだ時間と手間が掛かりそうだなー。(汗)
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TLR220Rのキャブレター再調整とTLR200の小細工 [バイク]

 TLR220Rは、先日キャブレターのメインジェットを大きくしたばかりだけど、雨天で1週間と少し乗らなかっただけでエンジンが掛からなくなってしまった。\(^^;)/
 TLR220Rに詳しいGさんに問い合わせたら「キャブレターを開けてるから、ひょっとしたらメインジェットが外れているかも知れない」と。うーん、そんな筈は無いと思うんだけどなー...どうしてなのか原因が分からない。

 バイクの基本は「良い空気、良いガソリン、良い点火」だから、一つずつ順に確かめる。
 まず、シートを外してエアクリーナーを点検、問題無し。
 次に、ガソリンタンクとオイルタンクの残量を確認、共に問題無し。
 更に、一旦プラグを抜き、プラグコードを接続してプラグのネジ部をボディの金属部に押し当てた状態でキックアームを踏み込む。すると少し弱いがプラグに火花が飛ぶので、プラグ・スパークコイル・プラグコードも問題無し。
 確認の為に、プラグを元に戻してキックしてもエンジン掛からず。直ぐプラグを抜いて確認すると、ガソリンでベタベタ。という事は、ガソリンの供給量が多過ぎる。となると、キャブレターに何かしら不具合があると考えられる。「うーん、やっぱキャブ外すか。」

 エアクリーナーを固定するボルト2本を外して位置をずらし、ブレーキライトやウインカーの配線も抜いたら、キャブレターを抉るようにして取り外す。
外したキャブレター
見た感じでは何も問題は無い。「まさか...」と思いながらも油面を調べてみたら、何故だか分からないのだけれど標準よりも2mmほど高くなっていた。
油面が標準より2㎜高い
「ありゃーぁ、これじゃガソリン吹き過ぎだよなー。」恐らくこれが原因だろう。既定の高さ(19mm)に調整し直せばOKだ。
 「念の為に」とメインジェットを純正の95番(#95)に戻し、キャブレターやエアクリーナーを取り付け、エンジンを掛けてみたらあっさりと掛かった。
但し、エアクリーナー吸気口は開けた穴を塞がないままの為に空気量が多過ぎるようで、スロットルを大きく開けないと直ぐ止まってしまう。でも、エンジンは掛かったから、もう大丈夫。面倒だけどまたキャブレターを外してメインジェットを110番(#110)に交換し、元通りに組み付けてエンジンを掛ける。
ほんの気持ち程度だけれど、メインジェットを大きくした方が排気音が力強くてしっかりしているような感じがする。
 子供が町内を少し走らせてみたけれど、全く問題無し。これで作業は完了である。

 序に、スパークコイルも外して点検する。
外したスパークコイル
外観は問題無いが、接点が少し錆びていたので、ブラスワイヤーで磨いて綺麗にしておいた。
接点を磨いているところ
また、プラグを標準のBR8ESからイリジウム・プラグのBR8EIXに交換した。
イリジウム・プラグBR8EIX
メインジェットを大きくした為、ガソリンの量は通常よりも少し多くなって点火し辛い状態になっている。
 その点、イリジウム・プラグの方が中心電極が細いので、標準品のプラグよりも強くて安定した点火が期待できるのである。

 少し前の話になるのだけれど、TLR200もハンドルを小細工している。
 ハンドルはバーライズキットで2.5cmほど高い位置になっているのだけれど、フロントフォークに対して垂直に高くなるので、ハンドルが体に近い位置になっている。
ハンドルの位置が手前にある
そのままでは乗り難いのでハンドルを前側にかなり倒してあるんだけれど、それでもやっぱりハンドルの位置が手前過ぎて乗り難いのだ。
 「何とかならんですのん?」と思っていたら、ネット上でオフセットタイプのバーライズキットを見つけ、早速取り寄せた。
オフセットタイプのバーライズキット
取り付けてみたらハンドルの位置が更に前になり、スタンディングでも恐怖感が無くなった。
ハンドルの位置が前になった

 これで2台とも良くなった。目出度しメデタシ、である。
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TLM220Rのキャブ調整など [バイク]

 TLM220Rは普通に使える状態になっていて、専ら子供が乗っているのだけれど、いざ練習場所で走らせると「ああしたい、こうしたい」という部分が出て来る。

 まず、ギア比が公道走行重視なので、練習場所の凸凹や斜面を走ると、ギアがロー(1st.)でも速度が速過ぎるという。なので、フロントスプロケットをネットで仕入れた11Tのギアに替える。
左が11T、右が13T
左が11T、右が標準の13Tである。11Tとなると流石に直径が小さくて、スイングアームをチェーンが削ってしまわないか心配になるほど。
11Tに交換したところ
幸い、今のところチェーンがスイングアームに当たるような状態にはなっていない。

 それから、チェンジレバーを替えた。
替えたチェンジレバー
純正のチェンジレバーだと、スタンディング(シートから立った状態)で走行すると車体の振動で爪先がチェンジレバーに触れて、ギアが変わってしまう事がある。
 チェンジレバーを踏み込むと低いギアに変わるので、ある程度速度が出ている時に触ってしまうと急激に速度が落ちて前につんのめるような状態になってしまい、場合によってはかなり危ない。だから、あえて爪先から離れた位置にシフトレバーが来るように社外品に替えた。

 クラッチからの異音は相変わらずで「クラッチ板を替えなきゃアカンか?」と思っているのだけれど、クラッチの切れが悪いような感触もあるので、クラッチケーブルを交換する。クラッチケーブルはタンク下を通っているので、タンクを外す。
タンクを外したところ
クラッチケーブルを外す時に気が付いたけれど、このクラッチホルダーは純正じゃないみたいだ。
クラッチホルダーは非純正
キックアーム近くにあるクラッチワイヤーのタイコも外せば、ワイヤーを取り外せる。
エンジン側のクラッチワイヤー
交換するワイヤー(画像下側)は古いワイヤー(画像上側)と比べると少し短い。
上が古いワイヤー、下が新品
1万8千km走っている車両だけに、クラッチワイヤーも伸びていたみたいだ。
 組付け前に、負荷の掛かり易いタイコ部分に一応グリースを塗っておく。
タイコ部に給脂しておく
レバー側も同様にグリースを塗る。
レバーにも給脂
元通りに取り付ければOKだ。

 更に、吸気系にも手を加える。
 発端は、ご自身もTLR220R改に乗るGさんから「ノーマルのままでも良いけれど、エアクリーナーの開口部を大きくして、更にメインジェットの番手を#110位にすると、更に走り易くなる」という話を聞いた事。「乗り易くなるんだったら」と作業を進める事に。
 エアクリーナーを外さないとキャブを外せないので、エアクリーナーを固定しているボルト2本を外し、リア側に伸びる配線も外し、エアクリーナーボックスのサイド側も外す。
エアクリーナーのサイドを外したところ
キャブレター前後にある取付金具を外し、右側へ抉るようにすればキャブを外せる。
# 結構大変だったりするんだけどねー。
外したキャブレター
キャブレターを開けたら、ガスケットに液ガス(液体ガスケット)を塗り込んであった。本来ならガスケットを交換すべきだなぁ。
ガスケットに液ガスが使われている
今回調達したメインジェットのセットは、ポッシュのNSR50用である。
ポッシュのジェット・セットNSR50用
今どきTLM220R用のセットなんて販売されていないし、メインジェットのサイズがホンダNSR50と同じだから、あえて選んだ。純正標準の#95を、#110に替えた。
メインジェットを#110に替えたところ
メインジェットを変えただけで、他は何も変えていない。
 このままだとガソリン噴出量に対して空気が足りないので、エアクリーナーに繋がるエアダクトに三か所穴を開けてバランスを取る。
エアクリーナーダクトに穴を開けた
元通りに組み立てて作業は完了である。

 早速走らせてみると、スロットルをほんの少し開けただけでトルクが「ドカンっ!」と出る感じになった。と同時に、うっかりスロットルを開けるとバイクだけドンっと先に出て行ってしまい、乗ってる人間の体重移動が間に合わなくてバイクに置いて行かれるような状態になる。とりあえず、低速度域全域でトルクが太くなった感じで、とても走り易くなった。
 作業は少々手間がかかったけれど、それに見合うだけの効果は出たと思う。目出度しメデタシ、である。
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TLM220Rをとりあえず整備 [バイク]

 入手したTLM220Rは気になる部分があちこちにあるので、できる事から作業を始める。

 前所有者は、フロント・スプロケットを純正の13Tから14Tに替えてロードバイクとして使っていた。2ストだから飛ばせば面白いんだろうけれど、そういう使い方をする積りは無いので、まず純正の13Tに戻す。
 スプロケットを外したら、内側やシャフトに汚れが溜まっていたので、ワイヤーブラシで清掃する。
ブラスワイヤーブラシで清掃中
13Tは書類と一緒に受け取っていた。画像左が純正の13T、右が付いていた14Tだ。
フロント・スプロケット2種
14Tはギアが一寸減ってるように感じる。13Tの方は減りが殆ど無いようだ。そのまま取り付ければOK。
純正13Tを取り付けたところ

 次は、オイルポンプの調整である。
 ガソリンと一緒に2ストオイルもエンジン内で燃焼する為、排ガスは多少白いのはごく普通。しかし、このTLMの排ガスはやたらと白いのだ。
 新車時の状態を知らないし、マフラーがHRC製で純正ではないから何とも言えないのだけれど、以前乗っていたリード80SSや当時の知り合い達が乗っていた2スト・バイクの排ガスの記憶と比べると、かなり白いのである。「2ストオイルの吐出量が多過ぎるんでは?」念の為に、オイルポンプを確認する。オイルポンプはエンジン右側のカバーの中にある。
右側のオイルポンプカバー
カバーを外すと、オイルポンプが見える。
カバーを外したところ
サービスマニュアルによると、「スロットル全開時に、オイルポンプに刻まれた線が一致する」とある。で、実際にスロットルをフルオープンにしたら...ありゃりゃ、ずれてるじゃん。
アクセル全開の状態でズレがある
全開時に一致するように、ワイヤーを調整。
調整したところ


 前所有者がどういうメンテナンスをしていたのかが分からないので、ミッションオイルを交換する。サービスマニュアルの手順に沿って、ミッションオイルを抜く。
ミッションオイルを抜いたところ
結構汚れているけれど、酷い状態ではない。それなりの頻度で交換されていたみたいだ。使うオイルはホンダ純正オイルのG1。
ホンダG1オイル
缶のデザインが、以前の銀色主体から白に変わったな。長く乗ると思うので、添加剤ZOILも注入する。
オイル添加剤ZOIL
ZOILは以前から知っていたけれど、今回初めて使う。既定の量をエンジンに中郵すればOK。

 何となくスロットルの動きが渋いので、ワイヤー・インジェクターを使ってケーブル内にオイルを注入する。
スロットルケーブルにオイルを注入中
注入後に動かしてみたら、スルスルと軽く動くようになった。

 一通り作業したので、エンジンを掛けて空き地で走らせてみた。
 まず、排ガスの煙は多少薄くなったように思う。エンジン音もだいぶ静かになったが、それでもまだかなり喧しい。2ストのエンジンだから五月蠅いのではなく、どうもクラッチ周辺から音がしているようだ。
 とりあえず軽く整備したけれど、やるべき事はまだまだ出てきそうだなー。(汗)
タグ:TLM220R
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