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KORG M1Rの不具合(その2:完了) [音楽]

前回からの続き)

 M5216Lは市場在庫がまだあるみたいで、比較的簡単に入手できた。
入手したM5216L
必要なのは一つだけだが、ばら売りしている業者は価格がやや高いので、オークションで入手した。
 早速M1Rを分解する。
KORG M1R
分解と言っても、天板を外すだけ。交換するM5216Lが載っているのは、オーディオ出力に直接繋がっているこの基板一枚しかない。
オーディオ出力基板
ハンダを緩めて古い方を外し、新しい方をそのまま取り付ければOKである。
 外した方(画像下)と入手した物(画像上)を比べると、入手した物の方が製造ロット番号が古い。
新品(上)と交換した古い方(下)
元通り組み立てて、早速子供に使って貰った。

 すると「左右の音量差は無くなった」と。ところが、「出力ボリュームの動きがおかしくて、真ん中まで回すと音量が最大になるような感じ」と言う。
 今回ボリュームポットは触っていないので、どうしてそのような動作になったのかは不明。でも、子供曰く「卓(ミキサー兼レコーダー)の方で音量を調節すれば良いから問題無い」んだと。

 一瞬焦ったけれど(笑)、とりあえず普通に(?)使えるようになった。目出度しメデタシ、である。

(完)
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Marshall DRP-1をオーバーホール(その1) [音楽]

 作業する時間を確保できたので、放置してあったMarshallのソリッドステートプリアンプDRP-1をオーバーホールする。
DRP-1
オーバーホール前、念の為に音を出して見たら「ありゃ?なんだか動作が不安定だな???」
 具体的には、音がやたらと小さかったりノイズが載ったりするのだけれど、状態が一定でないのが気になる。「まーぁ、オーバーホールすりゃ直る...とは思えんけど、何でやろ?(溜息)」

 オーバーホール作業がいつもの通りで、分解して基板を取り出し、ボリュームポットは全て外して分解清掃、電解コンデンサも全て交換した。
作業を終えた基板
ところが、基板の裏側にも電解コンデンサがあるのを見落としていた。
基板裏にコンデンサがある
基板の設計変更をすると大変だから後付けにしたのだと思う。こちらも勿論交換した。

 改めて基板を見ると、クリッパー回路と思われる赤いLED2個が並んでいる所が2箇所ある。
LEDクリッパー

LEDクリッパー
ネット上の回路図を見ると、スイッチを「BOOST」にすると両方のLEDが接続されるようになっている。細かく回路を見ていないので、具体的にどういう意図でこうなっているのかは追っていないが、歪ませる方向で使われているのは間違いないようだ。

 外したツマミを見ると、何だか汚い。
汚いツマミ
前所有者がガムテープでツマミを固定していたらしい。接着成分が乾燥してカピカピになっていて指先では取れないので、精密ドライバーでほじって取る。
精密ドライバーで取っているところ
一寸面倒だったけれど、まぁまぁ綺麗になった。
少し綺麗になったツマミ
後は元通り組み立てればOKである。小規模な基板なので、交換した電解コンデンサの数は大した事無かった。
交換したコンデンサ
改めて動作確認して見ると...やっぱし症状は変わらないじゃん。(滝汗)どこかに不具合を抱えているようだ。

 ネット上の回路図をプリンタで印刷し、再度ばらして基板上の配線と部品を追う。
 ところが、回路図と実際の基板とではあちこちに違いがある。
 具体的には、基板上のシルク印刷では部品番号が割り振られているけれど実際には部品が無いとか、部品の値は同じだし回路上の位置も同じなんだけど部品番号が違うとか、部品番号は同じだけど使われている部品が違うとか、あちこちに違いがあるのだ。

 製造ロットによって違いが出ているんだろうけれど、これでは回路図としては使い辛い。こりゃぁ回路図を自分で書き直さないといけないかもなぁ。(溜息)

(続く)
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KORG M1Rの不具合(その1) [音楽]

 左右で音量差が出るという不具合が起きたM1Rを、とりあえず調べる事に。
KORG音源モジュールM1R
天板を外して内部を改めて観察する。出力に差があるのは一番右側の二つのジャックである。
出力ジャック部
基板にはジャックが並んでいて、アナログ出力回路から音量調節用のボリュームを通してこの基板に信号を伝えているのは左端の灰色の配線だ。
左端の線が信号線
配線の近くにトランジスタがある。
トランジスタがある
2SC2785だ。
2SC2785
念の為に、一寸測定した。
測定中

2SC2785の測定

2SC2785の測定
hFEの片方が低いのは気になるが、一応正常みたいだ。基板のトランジスタ周辺の配線を追ってみる。
トランジスタ周辺の回路パターン
このパターンを追いかけたら、このトランジスタ二つはアナログ出力回路とは繋がっていない。

 そうなると、最終的な音量を調節しているボリュームの手前にあるアナログ回路が怪しいという事になる。
音量を決めるボリューム
このボリュームが繋がっているのは、フロントパネル裏にある基板である。
アナログ出力回路
ここで使われているのは三菱M5216Lという大出力タイプのオペアンプだ。
三菱M5216L
このICは入力インピーダンスが最低でも300kΩと高くて出力も大きいが、ここではデジタル回路から来た音声信号をライン・レベルに上げる為に使われている。
 この基板より先はデジタル回路になるので、音量の左右差はこのM5216Lが原因と考えられる。

 M5216Lは既に生産を終了している。ネットで探すとまだ在庫はあるようだがかなり割高となる。
 代替部品となると、LM4880やTDA2822(どちらもUTC製)辺りになりそうだけど、どちらも入力インピーダンスが100kΩとかなり低いのが気になる。それに、ICの増幅率がそれぞれで違うので、回路定数を変更する必要も出て来る。うーん、どうしようかなー...???

(続く...の?...続いた!
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止むを得ず撤退:D888のオーバーホール [音楽]

 2年半ほど前に購入したKORGの8chレコーダー「D888」は、細切れの時間を使って少しずつオーバーホール作業を続けていた。

 作業の内容はD32XDD16XDと同じ。
 いつものように、本体裏側を見るとネジが並んでいるので、それを外す。
本体裏側
下の蓋を外すと基板が見えて来る。
内部の基板
電源はスイッチング式なのでコンパクトだ。
スイッチング電源はコンパクト
ただ、この方式だとコンデンサのESR(等価直列抵抗)を設計時の値と合わせる必要がある為、迂闊にコンデンサ交換は出来ない。
 配線を追ってこの部分の回路図を作成し、使われている素子のデータシートを調べて設計値を推測する事は出来るけれど、時間と手間が掛かる。なので、今回もこの部分には一切手を出さない。
 前面のつまみ類を全て取り外す。
つまみを全部外したところ
これで基板が外れる。
基板が外れる
スライドボリュームの隣に小型電解コンデンサがある。
スライドボリューム脇にある小型電解コンデンサ
この場所に収める為に、わざわざ割高な小型タイプを選んでいる。基板の配線ルーティング上、この場所にしか置けなかったんだろうけれど、それにしても一寸苦しい感じがするなぁ。
ボリュームポット周辺に電解コンデンサが一杯ある。
ポット周辺にも電解コンデンサが
しかも、パネルに閊えないように倒してあったりする。こりゃー生産する時に大変だっただろうな。
 スライドボリューム脇のコンデンサは、案の定液漏れした痕があった。
液漏れの痕がある
小型タイプは経年劣化で液漏れが起きる確率がとても高いので、古くなったら問答無用で交換する方が良い。オーディオグレードは汎用品より一回り大きいので、横倒しにして取り付ける。
横倒しで取り付けたところ
とりあえず、ジャック付近にある電解コンデンサを交換したが、ハンダがなかなか緩まなくて苦労した。
ジャック部周辺の電解コンデンサを交換したところ
次に、基板のあちこちにある電解コンデンサを外しにかかるが、足が抜けなくてすっぽ抜けてしまった。
足が片方抜けた
基板側に残った足を取り除き、抜いた穴を細いドリルで綺麗にする。
ドリルで穴をさらっているところ
作業を続けるうちに、スルーホールのパターンごと抜けてしまうという厄介な状態が増えて来た。
パターンが道連れに

パターンが道連れに

パターンが道連れに
3個連続でこうなったので、「まさか?」とは思ったが、その後抜いたコンデンサは全てこの状態に。

 この時代の製品は、使われているハンダは多分鉛フリー。だから、通常のハンダよりも融点が高い。
 今使っている半田ごては鉛フリーになる前の安価な機種でコテ先の温度が不安定だから、作業に梃子摺る事はある程度予想していた。
 けれど、流石にここまで厄介な事が続くと、正直言って作業を続けるのはリスクが高過ぎる。残念だが、作業はここまでで諦め、一時撤退する事にした。

 この作業を継続するなら、コテ先の温度を一定に保てる半田ごてが必要となる。でも、高価格帯の製品なので、自宅周辺のホームセンターなどでは扱っていない。
 オーバーホール作業を止めて他の道を探るか、今後の事も考えて半田ごてを買い直すか...また新たな課題が出来てしまったなー。(滝汗)
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MarshallのソリッドステートプリアンプDRP-1 [音楽]

 一寸前の話になるけれど、英マーシャルのプリアンプDRP-1が某所で「動作未確認のジャンク」として格安で売られているのを発見!
 訳有ってBOSS TM-7を手放した為、手軽に使えるエレキギター用のヘッドフォンアンプが無い事や、これまた訳有って手放したMarshallのLEAD12(別名「リトルJCM800」)のサウンドが欲しくなる時もあったりして、「こいつなら場所取らないし良いじゃん。」ジャンクだけど「回路に問題があっても自分で直せば良い」と思い入手したのである。
マーシャルDRP-1

 ジャンクと言うだけあって外観はかなりボロい。
 ツマミの頭にはガムテープが貼られていたような痕があるし、パネルの部分は文字が消えちゃったりしている。左半分はまだ印刷が残ってるけれど、LED下の「Battery Test」は大半が消えている。ちなみに、完全に消えている右端は本来なら「Line Level」と印刷されている。側面も傷だらけ。
側面も傷だらけ
裏を見ると、電池ボックスの蓋が無い。
蓋が無い
上側面にある入出力部は、ジャックの樹脂ナットが一つ欠けている。
樹脂ナットが一つ欠けている
分解して中を確認する事に。
 両側面のネジを外して裏蓋を引き抜き、ツマミとボリュームのナットを外す。
分解中
中にある基板は2枚に分かれている。
基板は二枚
電解コンデンサは、海外製品でよく見かけるアキシャルタイプだ。赤いLEDが2個並んでいるのは、多分ダイオードクリッパー(歪を作り出す回路)だろう。
 内部を一通りチェックしたら、元通りに組み立てる。この時、ジャックからオイルが滲み出て来た。
オイルが滲んできた
サラサラとした感じの油分なのと、ライブ等の現場でトラブルが起きた際に「とりあえずCRC-556噴いとけ」という人が多いので、恐らくCRC-556だと思う。

 9Vの電源を用意して実際に動かしてみたら、一応正常に動く。一部ガリが出始めているボリュームもあるので、一度分解清掃した方が良さそう。
 肝心な音の方は、全体的に「サー」というホワイトノイズが薄く乗るのと、籠ると言うほどではないけれど高音域はだいぶ落ちている。1990年代の製品らしいので、電解コンデンサは交換する方が良さそう。

 とりあえず動いたので一安心。部品は手持ちの物で全部揃うので、暇を見てオーバーホールしてやろうと考えている。
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KORG M1Rが駄々こねた!? [音楽]

 3年ほど前に手を入れたコルグM1Rは、子供曰く「左右で音量に差が出るようになった」と。
KORG音源モジュールM1R
再度分解して調べる事に。

 鍵盤部を持たない音源モジュールで、最終的な音量はボリューム一つで調整する構造だ。
音量を決めるボリューム
「とりあえずここを清掃してみよう。」序でに、もう一つあるボリュームも分解清掃する事にする。
もう一つのボリューム
筐体上側の蓋を開け、フロントパネルを取り外すと基板が見える。
内部の基板
ボリュームは小さな基板に取り付けられているので、基板を外してハンダを緩め、ボリュームを取り出す。分解清掃したけれど、大して汚れてはいなかった。元通りハンダ付けし直し、元通り組み立てて作業は完了。作業時間は1時間弱。
 早速子供に使って貰ったら「音量差は変わらない」と。

 一般的に、音源モジュールはカスタムLSIに内蔵された音源をデジタル回路で選択してDA変換を通して音声信号として取り出し、それをアナログ回路で増幅して出力する構造になっている。
 今回、音源の音色には全く問題が無いので、 デジタル回路側は多分問題はない筈。となると、アナログ回路側を調べる事になるのだが、回路図は無いし、古い機種なのでメーカーのサポートも期待できない。ウーム...
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RandallのギターアンプV2XM [音楽]

 先日、某オークションサイトを眺めていて「あ?これ良さそうじゃん。」でも、終了まで一週間あるので、入札が相次げば価格が上がってしまう。「とりあえず一寸入れておくとするか」と、1500円を上限に入札しておいた。

 一週間後、「おめでとうございます!あなたが落札しました。」というメールが。安く落札できるなんて思ってもみなかったから忘れてて「はっ?何のお話でしょ??」中身を確認したら「えっ...落ち...たんだ。」(笑)因みに、落札額は1200円一寸。
# 送料の方が高くついたわ。(--;)
そんな訳で数日後自宅に届いたのが、これ。
RandallのV2XM
Randall(ランドール)は1970年米国で創業したアンプメーカーで、拙者にとってはメタル系テクニカル・ギタリスト御用達というイメージが強い。

 今回これを入手した理由は簡単で、「30cm(12インチ)スピーカーを使いたかった」から。自分で12インチのスピーカー・キャビネットを作っても良いんだけれど、そんな事するより格安中古を漁る方が手っ取り早い。
 以前に12インチスピーカのヤマハF50-112F100-212を使っていたのだけれど、色々と事情があって両方共手放してしまった。
 その後はMarshall(マーシャル)のLEAD12(これも売却済み)、Guyatone(グヤトーン)のFLIP200Fを使っているんだけれど、スピーカの口径が小さい(FLIP200Fは8インチ)と「何となく」という曖昧な感触だけど音に迫力が無いのである。
 その点、F100-212は素晴らしいアンプだったが、小さな自宅で使うには大きさも出力(100W)も大き過ぎた。なので、「そこそこコンパクトで12インチのスピーカーを」と探し回っていたのである。

 楽器店などでは「初心者向け」に小さなサイズのギターアンプやベースアンプを沢山並べて売っている。
 しかし、拙者は「初心者こそ12インチ以上のスピーカーを搭載したアンプを使うべし」と思う。小口径スピーカーだとギターやベースの持つ音色の力が良く分からないと思う。
 増してや、ギターやベースの音がどういう物なのか理解できていない状態の初心者が、小さなアンプで音を出したらギターやベースの良さがなかなか分からないのでは?と。ある程度演奏技術が上がって来てアンプを自在に操れるようになってから、小口径にチャレンジすれば良いと思う。
 12インチ以上となるとアンプのサイズも出力もそれなりの大きさになるし、金額も初心者向けとは言い難くなるけれど、先の事を考えたら初期投資をケチるべきではないと考えるのである。

 さて、まずはいつものように一通り確認する。
 背面は密閉タイプになっている。
背面は密閉タイプ
背面右上にはライン入力・エフェクトのセンド/リターン・ch切替フットスイッチのジャックがある。
リアパネル
前面にあるヘッドフォン端子を使えば、CD等の音源を聞きながらスピーカーから音を出さずに練習できるようになっている。
 前面上にあるコントロール類は、左にクリーンchのレベル、オーバードライブchのゲインとレベルがあり、CH.SELスイッチでどちらかを選ぶようになっている。
フロントパネル・左側
EQ(イコライザー)は一般的な3バンド構成だが、その右側にはスライドボリューム式のイコライザーが3つ付いていて、更に幅広い調整が出来るようになっている。
フロントパネル右側
一番右は最終的な音量を決めるマスター・レベルだ。

 FLIP200Fと比べてみると一回り大きい。
FLIP200Fとの比較

FLIP200Fとの比較

FLIP200Fとの比較
背面を開けて中を確認する。背面は1.5cm厚の板でガッチリ作られている。
背面を開けたところ
スピーカーはGT12-8(8Ω)。
内蔵スピーカー
何故かネット上ではこの機種の情報が殆ど無くて詳細は分からないが、2017年に販売されたようだ。

 一寸音を出して見た。右端のMASTERにガリが出るけれど、他のボリュームは問題無し。
 出て来る音は、クリーンchは透明感のある、正しく「クリーン」なサウンド。マーシャルLEAD12もクリーンがとても綺麗な音だったけれど、それを上回る感じ。現代のオーディオライクなサウンドである。
 オーバードライブchは、メタル系ギタリストが愛用するだけあって激しく歪む。各弦の音が音圧の壁と言うか塊になって飛んでくるような感じで、
# どんな例えじゃ。(^^;)
各弦を分離させたコード感を感じるようなサウンドではない。ヘビーメタルそのものって言っても差し支えないだろう。

 実は、LEAD12を手放してから「しまった、あのクリーンな音を出せるアンプを手放すんじゃなかった」とかなり深く後悔していたのだけれど、このアンプのお陰で完全に救われた。(笑)

 製造からまだ6年程度しか経っていないので、電解コンデンサ等の消耗部品の交換はまだ必要なさそう。だけど、ボリュームの一部のガリが出ているので、近いうちに分解してきちんと動くようにしようと考えている。
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ローランドM-160のメンテナンス(その4) [音楽]

前回からの続き)

 8チャネルが一つの基板に収まっている。
一つの基板に8チャネル
スライドボリュームを外してオーバーホール作業を繰り返す。
スライドボリュームを外したところ
一度に外すと間違う可能性もあるので、一列ずつ外して作業する。
一列ずつ外す

一列外したボリューム
このボリュームも内部が汚れている。
内部は汚れている
この小型ボリュームもアルプス社製だ。
アルプス社製の小型ボリューム
内部に軸から漏れたらしいグリースが入り込んでいた。
内部にグリースが入り込んでいた
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨く。
磨いたところ
一番数の多いボリュームは、単純な構造の物。
単純な構造
劣化したグリスが軸にまで出て来ている。
劣化したグリスが出ている
内側にはグリスがタップリ。古いボリュームで多く見かける。
グリスがタップリ残っている
グリスが無くてもスムーズに動くので、何故製造時に沢山入れたのかは分からない。
幸い、抵抗体にグリースは回り込んでいなかったけれど、摺動で出た黒い粉が積もっていて、接点の通る所だけ筋が出来ている。
黒い粉が積もっている
接点も真っ黒。こんな状態ではガリが出ない方がおかしい。
接点も真っ黒
NevrDullで綺麗に磨く。
磨いたところ
部品が無くて未交換だったコンデンサを交換する。
下が新しいコンデンサ

交換を終えた基板
ボリューム全てをオーバーホールしたら、元通り組み立てて作業は完了...と言いたいところなんだけれど、実は作業中にボリューム一個を落としてしまい、未だに見つからない。(滝汗)
ボリュームが一個足りない
部屋のどこかにある筈なので探しているんだけれど、部屋が物で溢れているような状態で探すのが難しいという問題もあり、一週間以上経っているのに行方不明のままだったりする。
 どうしても見つからなければ、汎用品で代用する事も考えなきゃならんなぁ。(溜息)
取りあえず、元通り組み立てて作業は完了である。
作業の終わったM-160
一連の作業で交換した電解コンデンサの数はかなり多い。
交換したコンデンサ
電解コンデンサはオーディオグレードでも一個10円から数十円だけど、これだけ数があると結構な金額になる。

 ボリューム一個紛失という問題はあるけれど(汗)、これでオーバーホールは完了。目出度しメデタシ...と思ったら、子供曰く「片方のチャネルから音が出ない」と。(滝汗)
 ハンダ面は全てチェック済みだから、ハンダ付けのやり忘れは無い。となると、ボリュームが死んでいるか、或いは回路の何処かがおかしくなったか、という辺りが原因として考えられる。一難去って...じゃなくて、一難起きてまた一難、合計二難!?か。トホホ...

(続く)
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ローランドM-160のメンテナンス(その3) [音楽]

前回からの続き)

 前回からかなり時間が経っちゃったけれど(汗)、不足していた電解コンデンサを入手したのと、ボリュームのガリが酷くなってきているので、作業を続ける。

 本体を分解して、まずマスターボリュームの基板を取り出す。
外した基板
ハンダを緩めてスライドボリュームを外す。
スライドボリュームを外したところ
抵抗値はA10kΩで、当時の汎用品だ。
外したスライドボリューム

外したスライドボリューム
分解すると、中は凄い状態。(汗)
中は酷い状態
CRC-556などを吹き付けたのか、抵抗体に油分が付着している。
抵抗体に油分が載っている
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いて綺麗にする。
綺麗になった抵抗体
接点も黒く汚れている。
接点が汚れている
接点表面のメッキが経年で剥がれてしまっている為、同様に磨いたがピカピカにはならない。
磨いた接点
元通り組み立てて基板にハンダ付けする。

 次は、ミキサーの各チャネルにあるボリュームだ。
各チャネルにあるボリューム
アルプス社の小型ボリュームが使われている。
アルプス社製
見た感じは、基板用の汎用品だ。
当時の基板用汎用品
熱で樹脂を溶かして封印してある。
樹脂を熱で封印してあるタイプ
封印してある頭の部分をカッターナイフで全て切り取る。
カッターで切り取ったところ
これで分解できる。
分解したところ
内部に黒い粉が溜まっている。摺動で抵抗体が削れて出た粉だ。
中には黒い粉が
こちらもNevrDullで綺麗にする。
綺麗にしたところ
接点も汚れている。
汚れている接点
こちらも同様に綺麗にする。
接点を磨いたところ
綺麗になったら元通り組み立てる。
組み立てたボリューム
外れないように、グルーで固定する。
グルーで固定したところ
再分解を考えて、あえてボンドでなくてグルーを使っている。グルーだと接着強度が弱いけれど、ボリュームの軸を引っ張ったりしない限りは大丈夫。

 序に、未交換の電解コンデンサも交換する。右が今まで付いていた汎用品、左がオーディオ用の新品。オーディオ用は少し大きい。
新旧コンデンサ
 ミキサー回路は、複数種類のボリュームが使われている。今度は同軸二回路のボリュームだ。
同軸二回路のボリューム
こちらもアルプス社製の汎用と思われる小型ボリュームである。こちらも樹脂の頭をカッターナイフで切り取って分解する。
分解中

分解中
分解すると、内部は酷く汚れている。これじゃぁガリが出ない訳が無い。(汗)二回路分が同心円状に配置されているボリュームは、今回初めて見た。
内部は酷く汚れている
まずは接点側を見る。電極部に黄色くて粘りのある汚れが取り付いている。ボリューム軸に塗ってあったグリースが劣化して緩くなり、軸を伝って内部に入り込んだみたいだ。
グリースで汚れている
NevrDullで磨くと綺麗になる。
磨いた接点部
抵抗体は摺動で削れた粉と劣化したグリースでネチャネチャになっていた。
抵抗体の表面はネチャネチャ
同様に磨いて綺麗になった。
磨いた抵抗体
内部の接点にもグリースが回り込んでいた。
接点にもグリースが載っている
こちらも磨いて綺麗にする。
磨いた接点
 次は、同軸二回路のボリュームだけど、形状が一寸違うタイプ。
形状の違う同軸二回路のボリューム
分解すると、内部は汚れている。
内部は汚れている /></a></div>抵抗体は摺動で削れた粉はほぼ無いが、灰色の何かが付着していて、タバコの臭いがする。
<div align=たばこの臭いがする
NevrDullで磨いたら綺麗になった。
磨いたところ
接点も汚れている。
汚れた接点
磨いたら綺麗になったが、画像だと違いが分からない。(滝汗)
磨いた後


 合計124個のボリュームがあるので、作業はまだまだ続く...

(続く)
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BOSS MA-5マイクロモニターのオーバーホール [音楽]

 中古で手に入れたBOSSのマイクロモニターMA-5は中途半端に部品交換した状態のままだったが、先日部品をまとめて発注したので作業に取り掛かる。
BOSS MA-5
現状で確認している不具合は、トーンポットがグルグル回ってしまうのと、高音域が出ずに籠ってしまう事の2点である。

 まず、トーンポットを交換する。
交換部品
中央が元々付いていたボリュームポット、右端が新たに用意したポットである。16㎜ΦのA50KΩで、どちらも汎用品である。
 用意したポットは軸が長い。
新しいポット

古い方は3mm軸が短い。
古い方が短い
動作に支障は無いけれど、見た目が不揃いで良くない。なので、3mm切り詰める。万力で固定して、
万力で固定したところ
小さな金属のこぎりで切った。
切り詰めたところ
このままだとつまみを押し込む時バリが噛み込んでしまうので、切った先端に鑢を軽く当てて角を丸めておいた。
先端を丸めたところ
これで長さが揃った。
長さが揃った
次は端子の形状を揃える。まず、長さを合わせる為に配線を通す部分をカットする。
配線部をカットしたところ
そのままでは太過ぎて基板の穴に通らないので、同じようなサイズになるまで鑢で削る。
端子を削ったところ
更に、少し飛び出している回り止めは不要なので、ラジオペンチで折り取る。
回り止めを折り取ったところ
これでOKの筈だけど、端子が一寸太いので、基板側の穴を少し拡げた。
基板の穴を少し拡げた
未交換だった電解コンデンサも全て交換した。
部品交換の終わった基板

 グルグル回ってしまうトーンポットを分解してみた。
分解したトーンポット
摺動体が軸から外れちゃってる。(滝汗)どうやったら、こんな状態になるんだろう???
 高音域が出なかったのは、このポットの軸が外れてトーンを絞った状態のままになってしまったからだったようだ。抵抗体の方を見ると、やや深い傷が入っている。
抵抗体にはやや深い傷が
拙者はトーンポットは使わないのだけれど、前所有者は頻繁に使っていたみたいだ。
 後は元通り組み立てればOK...と思ったら、ボリュームポットにツマミを入れると緩くて直ぐ外れてしまう。仕方ないので、マスキングテープを貼って調整した。
マスキングテープで調整
これで、作業は全て完了である。
 早速ギターを接続して音を出してみると、きちんと高音域まで音が出ている。これで良し。

 オーバーホールしたので、当分の間は何も心配せずに使える。目出度しメデタシ、である。
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